内閣総理大臣 特別慰労品 セーラー万年筆 蒔絵 桜流れ 紹介エントリ
5月最終日です。皆様いかがお過ごしでしょうか。
私は相変わらず寝てません。現実逃避に夢中です。徹夜で夢中になるって、それもうあ
る意味寝てるんじゃないかと思ってしまいますね。
さてこのたび珍しい万年筆をゲットいたしましたのでご紹介いたします。
「内閣総理大臣 特別慰労品 セーラー万年筆 蒔絵 桜流れ」です。
詳しいことはよく理解できなかったんですが、先の大戦で外地に置き去りになった方だとか、一定年数以上を軍属として過ごした方とかの中で一定の条件を満たした方に贈られたものだそうです。
万年筆の他に、旅行券や銀杯等を選べるシステムだったみたいですね。カタログギフトかよ。
私はこのたび、近所に住むおばあちゃんからこちらを頂きました。生前の遺品整理?みたいなことしてるみたいで。終活って言うんですかね。
なんにしても、こんな素敵な螺鈿蒔絵の軸を未使用で入手できたのは本当に運がいい。ありがたやー。
というわけでさっそく。
開封しちゃいました。とりあえず手袋をしてます。恐れ多い。
金箔と螺鈿。いいですね。桜が川に流れている感じがとても出ています。眺めて酒を飲めそうなくらい綺麗です。
眺める用の台座までしっかり準備してあります。ライトアップすると写真映えしますね。肉眼だとこの写真よりも美しいんですが、画面越しの方にお伝えできないのが残念でなりません。
ペン先です。内閣総理大臣紋である五七桐の紋が彫られています。素材は21K。中字。セーラー万年筆の高級ラインですね。ニブサイズは大型。おそらくプロギアがベースかな?と思って比較。
ああ、プロギアがベースですね。キャップリング、クリップが少し違ってますが、サイズは一致です。内部のコンバーターもKOPに使用されてる金メッキバージョンでした。
ネットで情報を漁っていると、なにやらプロギアKOPをベースにした桜流れもあるそうです。そいつはすげぇ……。
そんで確定的な情報は得られなかったけど、多分2000年代後半〜2010年代初頭の製造。
ところでこの画像を見てください。
貝片の上と下に金箔が埋め込まれているのが分かると思います。
ってぇことはなにかい、金箔・螺鈿・金箔と、最低でも3層構造ってわけかい。
いやいや結論は早いぜ。画像じゃ分かりにくすぎて載せられなかったけどな、多分もっと多層だ。
なんていい仕事をしやがるんだこの蒔絵職人は!!
オークションで検索すると、このプロギアベースの桜流れはおおよそ5万程の落札相場です。もちろん中古使用済みですが。
5万そこそこでこのクオリティの万年筆もとい美術品が手に入ると思えば安いのではないでしょうか。。。
僕はたとえ美術品であっても、道具としての生まれたモノであるならば使うべきだと考えてます。
なのでさっそくインクを入れました。丸善日本橋エターナルブルーです。
ここはやはり国産インクを使いたいじゃないですか。そしてこの軸、蒔絵という特色、カラーリングに合うインクは、僕の手持ちではエターナルブルーだなと。製造先も同じセーラーですし、ジェントルインクの旧瓶に入ってるし。
ガシガシ使うようなものではないかもしれませんが、なるべく使っていこうと思います。
そんでたとえペンポイントが潰れても、修復しながら子へ孫へ伝えていきたいなと考えています。
ぼくが沖縄出身なので、戦争を伝えるという意味でも曰く付きな贈呈品で良かったと思います。争いはアカン。身は守るべきだが禍根を残すような防衛はあかん。自衛隊がんばれ。
以上。