読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ミネイワールド

ライターミネイの頭の中を投影してるブログ

ライターの嶺井が綴る
嶺井が気になるあれこれブログ

毒は斯くありき(プロット5)

bor-1124.hatenablog.com

 

 小林真二は驚いていた。染谷健と竹下芳乃が交際していることにもだが、それ以上に健が共依存に陥っていることに驚愕していた。健は自立した人間だと信じていたし、女に言い寄られた程度でそれが変わるとは微塵も予想していなかったのだ。

 年の瀬、健に呼び出され共用棟の教室に向かった。健から事の顛末を聞いた。率直な感想として、まず何より二人を遠ざけようと真二は考えた。

「健、おばさんにはもう報告したの?」

とりとめのない話題から、真二は突破口を探すことに決めた。

「まだだよ。というか言うつもりはない。子どもじゃないんだ」

「なぁ、最近あまり大学にも来てないだろ。竹下が原因なんじゃないのか?」

堕落しつつある生活を突き始めた。原因は竹下だと真二は確信している。さらにおばさんを引き合いに出せばどうにかなるかもしれないと。

「そんなことはない」

少し怒った声色で健は応えた。なら、その感情はどう説明するんだと、真二は心中で笑った。

「あまり続くようなら、おばさんに言わなきゃならなくなるよ。もう少し竹下とは距離を取ったらどうだろう」

我ながら無理のない誘導だと自賛した。

「そうだな、考えておくよ」

健はそう言うと、空き教室を出て言った。急ぎすぎたかもしれないと真二は考えた。

 

「まさか真二にあんなことを言われるなんて」

独り言を吐きながら健は帰路についている。自分と芳乃の関係について、無関心でなく、応援するでもなく、まさか邪魔をするなんて、裏切られた気分だ、という旨を歩行中ずっと呟いていた。