ミネイワールド

ライターミネイの頭の中を投影してるブログ

ライターの嶺井が綴る
嶺井が気になるあれこれブログ

Viscntiはいいぞ。

愛と物作りの国イタリア。

レザーの産地としてもド有名。

靴や時計もいいですよね。

まとめると、愛に生きる紳士の国であります。

 

熱狂的なファンも多いイタリア万年筆。今回はそんなお話をしようと思います。

 

イタリア万年筆といえばアウロラやデルタといったメーカーが有名です。

それぞれ代名詞となるモデルもあるのです。

アウロラならイプシロンオプティマ。デルタならドルチェビータ。

他にも個性的なメーカーが盛りだくさん。スティピュラやモンテグラッパなどなど。

ほぼ全てのメーカー・モデルでイタリアらしい洗練されたデザインを楽しめます。ドイツが機能美であるならば、イタリアは造形美。どの分野でもそんな感じですね。万年筆も例に漏れません。

 

そんなイタリア万年筆、通称イタ万の中でも僕がオススメしているメーカーがこちら。

Viscnti。

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こちらのViscntiで有名なモデルとして「ホモサピエンス」や「ミケランジェロ」が挙げられますが僕は「ゴッホシリーズ」「ダリシリーズ」を推したい。

写真左がゴッホの星月夜、右がダリのブラウンです。

どちらもペン先は鉄なんです。が、しかし、本当に鉄ペンなの!?ってほどタッチが柔らかい。国産4桁円ペンやLamyのSafariみたいな広く見かける鉄ペンとは比較になりません。この違いはペン先の大きさやカーブ、ハート穴の形状等に拠ります。

ペン先自体が大きいとインク保持量が多くなりインクフローが良くなります。柔らかく感じます。

ペン先のカーブが緩いほどタッチが柔らかくなります。カーブがきついほど硬い感触です。

ハート穴が横に広いと柔らかくなります。小さかったり縦長だと固く感じますね。

安い万年筆だと、そもそも万年筆に慣れているユーザーを想定していないので、高い筆圧にも(ある程度)耐えさせるために硬いタッチになってますね。

 

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ゴッホのペン先です。いゃん、素敵。

イタリアなので、イタリアらしさがでてます。刻印のエッジ処理とか粗いですね。ここを愛せるかどうかがイタ万狂いになれるかどうなの分岐点です。

また、日本語を書くことには向いていません。ペンを立たせて書くことを想定してます。日本語を書く場合はペンを寝かせて書くことが多いのです。

この点は各地で開かれているペンクリニックで「寝かせて書けるようにしてください」って依頼してください。基本無料でやってくれます。よしなに。

 

さて、イタ万はなにより軸が素敵です。こちらを。

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こちらはダリです。

クリップに「溶ける時計」があります。濡れる。さらに軸のグラデーションが……。さらに軸は半透明で、少し奥の模様も見えています。いくつかの色を混ぜ爆発させて作っているという噂を聞いたことがあります。狙ったところで同じ模様は作れないという面白い感じです。

 

Viscntiはいいぞ。。。

大学卒業してちょっと経った頃のSSを見つけたから手直しして世に出してみる

なぜか冷たい

 

昨日買った缶コーヒーを机に置きっぱなしにしていた
冷蔵庫に入れるため持ち上げると、冷たい


昨夜は熱帯夜だ
どうしてこんなことが


と彼女に話してみた


「へー、それ私みたいね」

「どこが?」

「冷たいでしょう?」

「そう?」

「そうなの」

「僕はきみのこと好きだよ」

「私は冷めたの」

「そっか」

「それじゃ、さよなら」

 

その晩、机の上に置いていた缶コーヒーは
凍ってしまうんじゃないかと思うほど冷たかった

 

寝苦しい夜が続くので、枕元に置いてみた
冷気が顔に当たって心地よい

 

安眠の友は、毎晩僕を寝かせてくれる
いつまでも冷たく冷えててほしいとさえ思う


残暑が続く、とある夜
友の不調に気付いた
どうにも冷えてくれない
このままだと眠れないじゃないか


そう考えていると、元・彼女からメールがきた


『やりなおしたいの』


冗談じゃない
僕は今、この友の不調で頭がいっぱいだ


『今はきみに使う時間はないよ』

 

友の不調が起きた夜から10日が過ぎた
たまに冷えることもあるが、だいたい熱くなったままだ
こんなに熱いんじゃ冷蔵庫にも入れられないじゃないか
いっそ捨ててしまおうかとも思う
それでも捨てなかったのは、不安だったからだ
友を心配していたからだ


そういえば元・彼女から、またメールが来ていた
『時間ができたら連絡して』
まったく、一方的に捨てたくせに、勝手なやつだ
友が快復するまで、連絡をする気にはなれない

 

といっても、この友の容体は芳しくない
あきらめるのも手か、と考え、気分転換に元・彼女にメールをしてみた


『失って気付く大切さがあるんだ
僕はもう大切なものを失いたくない
だから、今はきみのことは考えきれない』


電話だ

「新しい女ができたの?」

「そう思う?」

「思わない」

「その通り」

「大切なものって?」

「缶コーヒー」

「大切なの?」

「とても」

「バカ」

「そんな僕の恋人だったきみは、もっとバカだ」

「また好きになるなんて、人生の汚点よ」

「きみの人生はシミだらけだね」

「缶コーヒーのシミは無いわ」

「そのシミは僕のものだからね」

「あなたをクリーニングに出してやりたいわ」

「きみも負けてないよ」

「漂白してあげる」

「やめて、僕はこのシミを消したくない」

「シミが薄くなるころに、また連絡するわ」

 

友は、常温になっていた
僕としてはもう少し冷えてほしいが、熱くないだけ救われた


それから徐々に友は冷えていった
安定してきている
これなら大丈夫そうだ、憂いは消えた


「シミは残ってるけど、もう目立たないよ」

「そう、私もそんな感じ」

「よりを戻すの?」

「どうかしら、また冷めてきたわ」

「そうなんだ」

「でも、あなたといるなら、これくらいがいいのかも」

「そう」

「ええ、冷たく接することもあるはずだけど、それでもいいなら」

「冷たいほうがいいな」

「あなた、マゾだった?」

「いや、でも、友人も恋人も、冷たいくらいがちょうどいいって分かったのさ」

「そうかも」

「それじゃ、シミだらけの僕をよろしく」

「毎年、漂白剤をプレゼントするわね」

「やめて」

 


end

レザーに生きる男 ~3~ 仕上げによる分類

やぁ諸君、久しぶりだな。

元気だったかい?僕は相変わらず元気ハツラツだ!

 

さて今回は「牛革の仕上げによる分類」の回だ!

 

ん?前回の内容を忘れてしまったのかい?

まったく、たかだか2ヵ月で忘れるんじゃあない!!だらしない脳細胞だなぁまったく!!

レザーに生きる男 ~2~ 牛革の種類 - あれも欲しいしこれも欲しい

心優しい私はちゃんと前回のリンクを貼ってあげているぞ。感謝するんだな!

 

そしてはじめましての方、いいですか。このブログでは、画像の引用等は面倒なので一切しません!

つまらないブログだと思われるかもしれないけどね、情報には意味があるからね、必要な人が見ればいいの。そんだけ。

 

さて本題だ!いくぞ!!

ちなみに今回のは全て牛革についてだからな!

 

基本

 ヌメ革

もっともスタンダードな革である!
これに始まりこれに終わると言っても過言ではない!
鞣しの段階で染色しなかった革だな!
最初は白いんだが、使っていくうちに茶色に変わっていくぞ!
艶も出て、いい飴色になるんだ。育てる革の代表だ!
しかし染色等をしていない裸のままの革だから、水やキズには弱い!注意して扱うんだぞ!

オイルドレザー

「オイルレザー」とも呼ばれる!別物だって声もたまに聞くがもうどうだっていい!ここでは同じものとして扱うぞ!
鞣しの行程、もしくはその後、はたまた両方で、通常より大量の油を入れた革だ!
油が多いってことはそれだけ水をはじくしキズにも強い!
よくワークブーツに使われてるぞ!ほら、あの茶色いやつだ!そうそれだ!

 

プルアップレザー

オイルドレザーの一種だ!オイルドレザーよりもいっぱい油をしみこませたものだ!
特殊な機械で引っ張って油を入れるからこの名前になったぞ!
オイルドレザーよりキズに強いけれど、油はカビの養分になってしまうからその点は要注意だ!

起毛

ヌバック

起毛ってやつだ!これは革の表(銀面)を毛羽立たせたものだ!紙やすりとかを使うぞ!
毛足が短くて、そしてキメ細かいのが特徴だ!ティンバーランドの靴に使われてるやつだな!

スエード

これくらいは知ってるだろ!聞いたことあるだろ!スエードは革の裏面を毛羽立たせたものだ!ヌバックよりは毛足が長めだけど、そこまで長いわけでもないぞ!

ベロア

女性は知ってるんじゃないかな!ベロアはスエードと似たようなもんだけど、スエードより毛足が長い!
あとベロアは普通の毛織生地にも使われる言葉だから、なんかもうめんどくさいよね!普通のファッション用語として使われるベロアはだいたい毛織生地の方の事だからな!

コーティング

ガラスレザー

はい出ました、レザーメンテに人生をかける私としては厄介なレザーです。
革の表(銀面)を削って塗装してるモノ。仮面をかぶってるようなもんですね。メンテしようとしても塗装膜ですべて止まっちゃうのでなにもできません。塗装膜の汚れを取るのが関の山です。きらい!
だけど安価に供給されてますし、最近では経年変化やメンテできるガラスレザーも出て来てるらしいので、今後に注目したいところですね。
水や汚れにはもちろん強いですがキズには弱いです!

エナメルレザー

その名の通りエナメルを塗装したレザー。扱いとしてはガラスレザーと似たようなもんですね。主にレディスブランドで採用されてます。ひび割れしたら二度と戻せません。こわい!

模様

シュリンクレザー

革独特のシボ(シワ)をつけた加工だ!この加工でつけたシボは簡単には落ちないんだ!
鞣しの段階で濃度の高いタンニン液に浸けると、皮下層はそのままで銀面層だけ縮みシボができるぞ!

エンボス

これは自由度の高い加工だ!
鞣しの後に型押しするだけ!つまりどんな模様でも自由自在だぞ!でも使ってるうちに模様が薄くなることも多いから気をつけろよ!!

高級

アニリンカーフ

カーフ(仔牛)を使い、薄い水性染料を使って仕上げたレザーだ!薄い染料ということは、レザーそのものが美しくないとできないんだ!素晴らしい逸品だぞ!
しかしその分デリケートで扱いには注意が必要だ!水はもちろん、油のシミとかもつきやすい!

ブライドルレザー

ヌメ革に蜜蝋を染み込ませた革だ!しかしその染み込ませる工程にとても時間がかかる!だいたい3ヵ月~8ヵ月ってところだ!
耐久性に優れていて乗馬用の道具に使われるぞ!

 

さてこんなもんだ!

久しぶりのレザーブログはいかがだったかな!

 

次回はとうとうこのシリーズの目玉、メンテナンスの回だ!

それではまたいつか!さらば!!

万年筆のこと

万年筆って良いですよね。

 

何が良いって、あの音と書き味、そしてペン先と軸の美しさですよ。

 

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このバイカラー(2色)の美しさ

 

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金でも銀でも美しい。

 

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そしてこの軸。

 

実用品であり美術品なんです。

 

そんな美術品から流れ出るインクたち。

虹のようにカラフルであり、明度も様々。

さらに粘度によってインクの濃淡も異なってくるのです。

 

ペン先・ペン軸・インク色・インク粘度、そして字の太さまで考え出すと、宇宙のように広大な沼への片道切符を手にしたと同義なのです。

 

さぁ、みなさんも万年筆の沼に溺れましょう。

レザーに生きる男 ~2~ 牛革の種類

ちぃーっす。うっす。うっす。ミネイだよ。うっす。

2回目は牛革のなめしと種類についてだ!

目次だ!バーン!

 

行くぞ!

 

牛革のなめし

皮はなめすことによって革になるぞ!これは前回も話したな!!

「なめす」って字は「鞣す」って書くんだ!

文字通り、柔らかい革になるんだぞ!

 

使う鞣剤によってだいたい「タンニン鞣し」と「クロム鞣し」の2種類に分かれるぞ!

もう少し種類があるけど現代で普通に見かけるのはこの2種類だ!

タンニンとは植物から抽出される成分だ!

クロムとは硫酸クロムのことで、まぁ化学的ななめし方だ!

簡単に工程を紹介するぞ!

 

共通工程

・原皮が来る

牛革はだいたいアメリカの牛が使われているぞ!

あんだけステーキ食ってりゃ皮も余るってもんだな!納得できるだろ!

腐敗防止のために塩漬けにされてたり乾燥されたりして輸入されるんだ。

だから

 

・水につける

はっきり言って水分が無い状態なんだ。だから塩抜きや水入れのために何度も水につけるぞ!

この段階ではまだ血肉が付着してるから、その洗浄も兼ねてる!

 

・きれいにする

血肉やらなんやらが付着してるってのは上述したが、それをここで徹底的に取るぞ!

残ってたら腐っちゃうからな!!

 

・石灰につける

ここからちょっと複雑だ!

石灰につけることによって皮が膨張するんだ。アルカリ性だからな。これで皮のコラーゲンをほぐすぞ!柔らかくなってくるぞ!脂肪やらなんやらも分解されるぞ!

このときに脱毛なんかもやっちゃうんだ!前工程で除去できなかった血肉もここで消えるぞ!

 

・分割、再石灰つけ

皮の外側(銀面側)と内側(床皮側)に分けるぞ!

銀面側は見えるところ、床皮側は見えないところに使われるんだ!

分けたところでまた石灰につけちゃうぞ!しつこいな!!

 

・酵解

さぁさぁ専門用語だな!塩化アンモニウム等を使ってpHの調整と不要なたんぱく質を除去するぞ!

 

・浸酸

この後に使う鞣剤に適したpHに調整するぞ!

 

ここまでが共通工程だな!

 

タンニンなめし

・タンニンつけ

タンニンの濃度が違う槽へ順々に入れていくぞ!

ここで革に変身だ!

ちなみにこの工程で1ヶ月以上かかるぞ!

最近はもっと時短できるようになってるけどな!!

 

・脱水

じゃぶじゃぶしたから脱水するぞ!

 

・削り

内側を削って革の暑さを均等にするぞ!

 

・染色

ヌメ革とかではしないけど、カラフルに染めたりするときはここでやるぞ!

染色しなくてもタンニンのpHによって色合いが違うんだ!低pHだと淡い色、高pHだと濃い色になるぞ!

 

・加脂

脂を加えるぞ!ここでたっぷり脂を加えたらオイルドレザーって呼ばれる革になるぞ!

柔らかくなるんだ!

 

・伸ばしてまた脱水して乾燥してほぐす

長くなりそうだから一気にいくぞ!

もう見出しの通りだ!それだけだ!あとは測って切れば完成だ!!

 

クロムなめし

ぶっちゃけタンニンとほとんど変わらないぞ!

 

・クロムにつける

タンニンと同じように皮を鞣剤のクロムにじゃぶっとするぞ!

でもあっという間に浸透するんだ!科学のちからってすげー!

 

・あとはまぁそんなに変わらない

染色しやすかったりするから、タンニンより鮮やかな革になるぞ!

ちなみに染色しなかったら青い色なんだ。なんか不思議だな!

 

タンニンとクロムの違い

まぁ知りたいでしょ?教えてやるぜ!!

タンニンは植物由来の成分で作るから金属アレルギーとかあっても平気だ!

風合いが生きてるし経年変化も楽しめるぞ!

 

クロムは金属系だからアレルギーがあるとちょっと怖いな!経年変化もほとんどしないぞ!でも軽いしタンニンレザーより熱にも強い!キズもつきにくいぞ!低コストで生産できるから安いしな!

 

 

牛革の種類

レザーにはほんとアホみたいにいろんな種類があるぞ!

牛の性別・年齢・去勢の有無によって分類される!

それとは別に革の仕上げによって分類されるぞ!

だから「カウ・ハイドのヌメ革」みたいな初心者には意味不明な感じのレザー名になっちゃうぞ!

なんて沼なんだ…!

 

ここでは牛の分類によるレザーの種類を紹介するぞ!

 

□カーフ・スキン

生後6ヶ月までの仔牛の皮を使用したレザーだ!

その銀面はキメ細かくとても美しいぞ!最高級品だ!

薄くて柔らかく、手触りもいいが強度に難アリだ!

僕もカーフの財布を持っているがすばらしいぞ!こいつはすごいぞ!

 

□キップ・スキン

生後2年までの牛のレザーだ!カーフには劣るがそれでもキメが細かく美しい。そしてカーフより丈夫になっているぞ!

値段もカーフより親切だ!

 

□カウ・ハイド

出産を経験した2歳~3歳ごろのメス牛のレザーだ!

柔らかさと強度を両立している点が特徴だな!

次に紹介するステアに次いで流通しているぞ!

 

□ステア・ハイド

生後半年までに去勢した2歳くらいのオス牛のレザーだ!

もっともポピュラーなレザーで、つまり1番よく食われてるってことだな。

オスのほうが硬い質感だぞ!

 

□ブル・ハイド

去勢せず大人になったオス牛のレザーだ!

キズが多くキレイな銀面を確保することが難しい。しかし強度は折り紙つきだ!

質感は1番硬い感じだぞ!工業製品や見えない部分に使われるぞ!

 

□ハラコ

これは見たことないぞ!胎児や生後すぐの仔牛のレザーだ!

どんな銀面なのか興味はあるけど、さすがに心が痛むぞ!!

 

 

2000文字超えたことだし、今回はこれくらいでやめておこう!

次回は牛革の仕上げによる分類だ!

よし、次回は楽できるな。。。

 

では諸君!また会おう!!

レザーに生きる男 ~1~レザーの種類

全身皮まみれの諸君、こんにちは。皮まみれミネイだよ。

このシリーズではそんなスキンな君たちをレザーの世界にご招待しようと思うよ。ハッハッハ。

全4回だ!ハッハッハ!

ちなみに画像は無いぞ!自前で用意なんてできなかったからな!引用許可なんて個人ブログでやりたくないぞ!ハッハッハ!!(ググっておくれ。。。)

 

まず目次の前にこれだけは知っておいてくれ。

「皮」と「革」はまったく違うものなんだ。

皮はそのまま、君らのつま先から頭のてっぺんまである状態の皮。何もしていないやつだ。

そして革は、なめしたもの。なめすことで皮はいろんな変化を起こすんだ。

このブログは革についてのことだ。いいかい?

でも革って言いにくいからね、ここからは「皮革」って記述するよ。「ひかく」って読むんだよ。いいね?

 

 

皮革の種類

さぁ、今回は種類についてだ。

諸君が知っている皮革はなにがある?

牛とヘビと?うん、羊ね、それから?馬にワニね。うんうん、そんなもん?

よーし、浅薄な諸君らにもっと詳しく教えていくぞ!

 

さぁ、牛だ。もっとも一般的な皮革と言っても過言ではない。

牛をと殺して牛肉を切り出す際に出てくる副産物だから、人類が牛肉を食べなくなるまでずっと目にするだろうね。

特徴は牛の種類や性別・年齢によっても違ってくるんだ。詳しいことは後述するが、丈夫で加工しやすいぞ。

 

イギリスでは乗馬が盛んだ。馬具に馬の革がよく使われている。

馬は牛と比べるとそれほど食用にされることはないが、それでも流通しているぞ。どうして流通しているかって?それは闇に触れるから、僕はあんまり話したくないなぁ。

馬の革の特徴は、ひっぱりに強いこと。牛革よりも強いかもしれない。同じ厚さなら馬の方が強いと思う。実験はしたことないよ。もったいないからね。

馬のお尻の革のある薄い層のことを「コードバン」と呼ぶんだ。ここの革はとても丈夫。そして美しい光沢を持っているぞ。皮革のダイヤなんて呼称があるくらいだ。希少な部位でね、牛革と比べたら高価だ。

馬革はひっぱりには強いけど、繊維質だから裂く力には弱い。その点を理解して大切に扱ってくれよな。

 

食べる動物はなんだって皮革にしちゃうぞ!豚だってそうだ!

日本で唯一、自給自足ができている皮革なんだぞ!でも毛穴が多くてあまり美しくないから、カバンの裏革や靴底みたいな見えない部分によく使われるんだ。つまり通気性・耐摩耗性・軽量って点が優れている。

それとこれも後述するけどスエードとしてなら見える部分にも使われるぞ!

 

おとなしい性格だからか、あまり皮革に強度はないんだ。羊は毛皮以外の用途ではあまり使われないな。見た目は美しいから、装飾としてたまに見かけるぞ!

 

ヤギ

 みんな知ってるかい?ヤギはこわい。めっちゃ喧嘩する。その迫力たるや。。。

だから強い。ヤギ革は強い。そして薄い。薄いから柔らかい。なんて良い皮革なんだ!

柔らかいから靴やカバンみたいな自立させなきゃいけないアイテムには使用されないよ。手袋や服に利用されるんだ。

 

シカ

この皮革は昔から日本で活躍してきたぞ。

刀の鞘や足袋に使われていたんだ。ちょっと表面がはがれやすい欠点があるけど、それでも柔らかくて丈夫な皮革だ。

 

ヘビ

ここからは「エキゾチックレザー」と呼ばれる皮革を紹介していくぞ!

ヘビ革くらいなら聞いたことがあるだろう?財布に使われたりしているね!ヘビは全身筋肉と言ってもいいくらい筋肉達磨だ!手足がないね!やっぱり達磨だ!そんなヘビを覆う皮がもろいはずがない。とても丈夫だ。でも扱いがちょっと難しいぞ!牛革を1としたらヘビ革は5くらい大変だ!お金かかるしデリケートだしね!

 

ワニ

ワニだ!あのワニだ!基本的にクロコダイルが使用されるぞ!アリゲーターじゃなくてな!

クロコダイルって知ってるかい?でかくてヤバイやつだ!そりゃぁ捕獲も大変だし、どうしたって流通が少ない。

その分その鱗は美しく、牛革の何倍も丈夫だ。しっかり手入れをすれば孫の代くらいなら余裕で使えるだろうな!もっとしっかり手入れをしてやれば家宝にできるぞ!

 

象さん

パオンヌ!パオンヌ!

象さんは陸上生物で1番でかいんだぞう!保護動物だぞう!滅多に流通しないんだぞう!なめすのも大変なんだぞう!この世の皮革で最高の強度を持ってるんだぞう!パオーン!

象革のカバンはそれこそ玄孫くらいなら余裕で受け継げます。皮革の前に縫製がダメになります。たぶん。そんな長生きしてないし実験もできません。あとめちゃくちゃ高い。象革が欲しすぎて敬語になりました。

 

ダチョウ

オーストリッチと呼ばれるダチョウの皮革。羽を抜いた後がポツポツとあって、これがオーストリッチの証だ。クイルマークっていうんだぞ!

脚の部分はオーストレッグと言って、こちらは爬虫類っぽい皮革模様だ!恐竜から進化した感じだな!

しかしこのオーストリッチはデリケートすぎる。水はもちろん日光もあんまりよくない。なのにカバンや靴に使われるんだ。ドアトゥドアなブルジョア層以外は購入を勧めないぞ!!

 

サメ

ここと次で終わりだ!ついてきてくれよな!!

サメ!わさびを卸すときなんかに使うな!こいつも丈夫なんだ!やっぱ強い生き物の革は強いな!

水棲動物だから水にも強いぞ!摩擦にも強いぞ!

だいたいヨシキリザメっていう種類のサメ革が使われてるんだ。なんでかって?捕獲量・加工難度・質感のバランスがちょうどいいのさ。でも養殖できないから貴重だぞ!

 

エイ

エイとサメはほぼほぼ同じ種だけどな!皮革となるとまったく違うんだ!

エイ革のことはスティングレイって言うんだぞ!

エイはサメとは違って鱗みたいな感じだ!そしてスターマークと呼ばれる綺麗な部分が1匹に1つだけあるんだ!そこを強調させるのがナイスな使い方だ!

もちろん水にも磨耗にも強いぞ!表面はヒトの歯と同じリン酸カルシウムでできてるから、磨きまくれば光りまくるぞ!!

 

 

終わりに

ちょっと長くなっちまったな!

初回は皮革の紹介だ!

次回は牛革のなめし方・牛革の種類についてだ!

これからは牛革メインで語っていくぞ!よろしくな!

 

シリーズ構成

1、レザー分類

2、牛革のなめし・分類

3、牛革の仕上げによる分類

4、牛革のケア

 

目黒寄生虫館に行ってきた話

みなさん、寄生虫は好きですか?

 

好きであるなしに関わらず、われわれは寄生虫に既に寄生されています。

成人のほぼ全員の顔には顔ダニという虫がいます。

メイクするならまつ毛の何割かは寄生虫です。

5人に1人はトキソプラズマに感染してるってデータもあるし、なんなら性格すら支配している説すらあるのです。

 

こんな話があります。

 

カマキリを終宿主にするハリガネムシ

こいつらはカマキリの脳を支配して産卵の場の水場に移動させます。

カマキリの意思を乗っ取るのですね。

 

そんな風に人間の意志すら寄生虫に支配されていてもおかしくない。

そしてそんな可能性すらある存在を知らないでいるなんて愚の骨頂。

 

というわけで行ってきました。

目黒にある寄生虫館です。

 

目黒駅の西口大通りを歩くこと数分。

道中で桜の名所らしい目黒川を発見。

 

 

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これは春にまた行きたいですねぇ。きっと絶景になるでしょうね。

また歩く。案外坂道が続きます。

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そろそろ着かないかなと思っていたら神社を発見。

お祈りしていきます。

 

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黒神社だそうです。

次回はちゃんと和服を着て参拝したいものです。

 

そして発見しました。

目的地の目黒寄生虫館です。

駅から徒歩でだいたい10分ってとこでしょうか。

 

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あやうく見逃しそうになる外観です。要注意です。ほんとに。

 

そして入る。パンフを手にしました。

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というわけで、バシバシ写真を撮っていきます。

そしてここからグロ系な写真が多くなりますので苦手な方は見ないでくださいね。

警告でござるよ。

 

余談ですがここはなぜか目黒のデートスポットらしいです。

1人で来てるのは僕だけでした。

なんてこったい。。。

 

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展示内容はこんな感じ。

なかなか狭い空間ですが、それでも1時間以上の滞在時間でした。

すごいですよ。情報量が半端じゃないです。

カップルが「うわ~きもい~」とか言って見るような場所ではないです。はぜろ。

僕のような理系人間が来るべき場所なんです。爆発しろ。

 

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さっそくパネルがお迎えしてくれます。

多後吸盤類が今回最大のお目当てです。

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こいつです。フタゴムシ。

某小説で知った寄生虫です。

こいつはペアを見つけると合体して、それ以降の生涯ずっとペアと添い遂げるんです。

アンコウの雌雄みたいですね。アンコウと違うのはパートナー同士が対等という点です。

虫ですらそんなことができるのに、我々人間ときたら。。。

 

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大鏡で見ることもできました。

一見すると蝶々のようですが、この時点で合体しています。

右と左で別固体でした。

 

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ほかにもタイノエなんてメジャーな寄生虫がいました。

こいつ、タイの口の中に寄生してるんですよ。

釣り上げた鯛の口にたまにいます。

 

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ノミなんかも有名な寄生虫ですよね。

こんなに膨れるものなんですねぇ。すごい。

 

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はい、エラに注目。なんかいます。

 

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アップしてみました。

虫がいます。

サヨリのエラに寄生してるんですね。

こんな滅多に見れないサンプルがたくさん展示しています。

生物系ホイホイですよね。

 

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これはちょっとショッキングな画像ですがアオウミガメの頭部標本です。

目の周りにプツプツが見えますね。これが寄生虫です。ヒルの仲間だそうです。

 

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愛犬家を悩ませるフィラリア。寄生された犬の心臓はこんなことになります。

線状のものがフィラリアです。

薬剤投与は必須ですね。。。

実家の犬に会いたくなった。。。

 

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北海道のキツネがキャリアになっているってことで有名なエキノコックス

人が感染すると肝臓や腎臓にこういう風に寄生します。

これでは機能しませんね。

 

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生魚とか気をつけないといけないアニサキス

イルカの胃がこんなになっちゃいます。

なんかブワってしてるの全部アニサキス

これじゃ生きることすらままなりませんね。

 

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おみやげを買いました。

左は「フタゴムシ」「トリパノソーマ」「有鉤条虫」のキーホルダー。

右はニベリン条虫の幼虫(本物)のストラップ。

ステキすぎるな。

 

学術的にとても貴重なサンプルが豊富な場所でした。

生物系に興味がある方や食中毒を予防したい方には一見の価値があります。

いや、一見どころじゃないですね。何度も行ってください。

 

入館料は無料です。

寄付を受け付けているので、そこに払ってもいいと思った金額を払ってください。

僕は3千円寄付しました。

それ以上の価値はありますが、手持ちの細かいお札が3枚だったので。。。

 

以上です。さらば。